2020年シーズン、セ・リーグ最下位に沈んだ東京ヤクルトスワローズ。
主力の不調や怪我が度重なり、戦力的に万全である時期が少なかったことが成績低迷の原因とも言われていますが、一番の原因は「長打力不足」ではないでしょうか。
12球団の中で、最もホームランの出やすい球場と言われる神宮球場をホームグラウンドとしながらも、チーム本塁打は僅差での3位に留まりました。
村上宗隆の成長も著しい中、2021年、この「長打力不足」を解消すべく、2020年シーズン終了早々に、新助っ人外国人の獲得に踏み切りました。
その選手が、メジャーでの実績がある、ドミンゴ・サンタナです。
今回は、東京ヤクルトスワローズの2021年シーズンを支える新助っ人、ドミンゴ・サンタナについて紹介して行きたいと思います。
ドミンゴ・サンタナがヤクルトに入団!期待の大砲の評価は?守備力や年俸,背番号についても紹介
ドミンゴ・サンタナのプロフィールやこれまでの成績について
ドミンゴ・サンタナは、17歳の時にメジャーリーグのフィラデルフィア・フィリーズと契約をして、プロ野球選手としてのキャリアをスタートさせました。
入団後は、マイナーリーグで経験を積んだ後、ヒューストン・アストロズへトレードで移籍。
プロ入り5年目の2014年7月に自身初のメジャー昇格を果たし、デビューを飾りました。しかし、昇格した日の試合でスタメンで起用されたものの、4打数ノーヒット、3三振。
メジャーの洗礼を浴びる結果となり、その後数試合に出場したものの、1本もヒットを打てず、三振の山を築くだけとなり、程なくしてマイナーへ降格しました。
その後はメジャーへ昇格することなく、翌年の2015年に14試合のメジャー出場を果たし、メジャー初ヒット、初本塁打を記録しました。ようやくメジャーにも慣れてきた頃、ドミンゴ・サンタナは、チーム事情により、ミルウォーキー・ブルワーズへまたまたトレードで移籍。
メジャーではトレード移籍が頻繁に行われており、珍しいものではありません。また、メジャーの試合に出場している選手にとっても、それは例外ではないのです。
ミルウォーキー・ブルワーズに移籍後も38試合に出場し、6本の本塁打を放つなど、徐々に存在感を示せるようになってきました。
そして、2016年には、さらに出場機会を増やし、77試合に出場。打率こそ,256とまずまずの成績でしたが、自身初の二桁本塁打となる11本塁打を放ち、二塁打も14本放つなど、自慢の長打力を発揮できるまでに成長しました。
2017年には、ようやくレギュラーの座を手に入れ、151試合に出場。打率も.278まで上がり、本塁打も30本を放ち、メジャー屈指のホームランバッターとなりました。
2018年には、相手チームのマークもあってか、なかなか前年ほどの成績を残すことが出来ず、シアトル・マリナーズへトレードされることとなりました。
しかし、2019年にはシアトル・マリナーズでレギュラーの座を再び確保。121試合に出場すると、自身2年振りとなる二桁本塁打、21本を放ちました。
このうちの1本には、東京ドームで行われたメジャーリーグ・日本開幕戦で放った、逆転満塁ホームランがあります。このホームランは、日本人の記憶にも新しいのではないでしょうか。
しかし、シアトル・マリナーズでのプレーも長くは続かず、FA(自由契約)選手となり、クリーブランド・インディアンスと契約を結びました。しかし、クリーブランド・インディアンスで思うような成績を残すことが出来ず、再び自由契約に。
そして、2020年12月、自由契約となっていたドミンゴ・サンタナは日本のプロ野球・東京ヤクルトスワローズと新たに契約を結ぶことになりました。
メジャー通算の成績としては、実働7年で打率.255、77本塁打を記録しています。
打撃が物足りなかったエスコバーの代役として期待
東京ヤクルトスワローズは冒頭説明の通り、地の利を活かしきれていない、長打力不足が課題として挙げられています。2020年から、東京ヤクルトスワローズで長年主砲として活躍してきたウラディミール・バレンティンが、福岡ソフトバンクホークスへ移籍した事により、大砲は前年にブレイクした村上宗隆のみとなりました。
この長打力を少しでも補強するために、メジャーからアルシデス・エスコバーを補強したものの、守備型の選手であったことから、本塁打はわずかに1本に留まりました。
アルシデス・エスコバーは2020年シーズンで自由契約となったため、東京ヤクルトスワローズでは新たに長打力不足の解消をすべく、今回、ドミンゴ・サンタナの獲得に至ったようです。
近年、多くなった「バリバリのメジャーリーガー」の日本球界への移籍ですが、このドミンゴ・サンタナも2017年シーズンにメジャーリーグで30本の本塁打を放っていることや、年齢も28歳とまだまだ若いことから、大いに期待できる選手と言えると思います。
また、前述の通り、東京ヤクルトスワローズの本拠地である神宮球場は狭く、外野にいくにつれて、やや傾斜が下がっているように「打ち下ろす」格好となるため、ホームランバッターにとってはとても有利な球場です。
このあたりを鑑みても、ドミンゴ・サンタナは、日本球界で最低30本の本塁打を放ってくれることを予想します。
ドミンゴ・サンタナの評価や魅力について
ドミンゴ・サンタナの最大の魅力は、メジャー通算77本の本塁打を放った「長打力」ですが、具体的にどのようなタイプのバッターなのか、解説していきます。
いくつか、ドミンゴ・サンタナのバッティング動画を見てみると「ライト方向へ伸びる打球を放つことが出来るバッター」であるという印象を受けました。
メジャー・マイナーから獲得する選手のこれまでは、典型的な「プルヒッター」が多かったイメージですが、昨今は、プルヒッターであると、変化球を多投する日本の野球に適応できない選手が多くいるため「広角に放つことが出来る選手」が好まれる傾向にあります。
ドミンゴ・サンタナも、球種に限らず、右方向に大きな打球を飛ばせることが大きな魅力ですから、サンタナ自身の感覚としても、これまでメジャーではライトフライであった打球が、神宮球場でスタンドインしてしまう、という感覚が多くなるかもしれません。
すでに日本球界で活躍している外国人選手で例えると、横浜DeNAベイスターズで活躍している、ネフタリ・ソトや、中日ドラゴンズのダヤン・ビシエドのようなイメージが近いかもしれません。
ドミンゴ・サンタナの守備力について
セ・リーグに入団するとなると、必ず無視できないのが「守備力」です。
パ・リーグのようにDH制度がないため、ドミンゴ・サンタナがレギュラーで出場する以上、必ず守備に就く必要があります。
では、ドミンゴ・サンタナのメジャー時代の守備力について紹介していきたいと思います。
まず最初に、ドミンゴ・サンタナの守備力にはあまり期待しないほうが良いかもしれない、ということをお伝えしておきます。
シーズンをフル出場したときで言うと、2017年。主にライトのポジションで出場していたドミンゴ・サンタナですが、失策は5つ記録しており、守備率は.979でした。
2020年シーズン、日本のプロ野球で同率ほどの守備力であったのは、横浜DeNAベイスターズの佐野恵太の.978ですから、お世辞にも「上手い」と言えるほどではないです。
しかし、ここまでご紹介した守備力であれば、悲観するほどはない、と思うのが正直なところかと思います。
ですが、ドミンゴ・サンタナの成績として、決して無視できないシーズンがあるのです。
それが、2019年。このシーズンはレフトのポジションで59試合に出場して9失策・守備率.920、ライトのポジションで42試合に出場し、3失策・守備率.966を記録しているのです。
この1シーズンを見ると、なかなか目も当てられないほどの守備である可能性があります。少なくとも、レフトを守らせるべきではないのかもしれませんね。
かつて在籍していたウラディミール・バレンティンも、守備力には難がある選手でしたが、それでも長年起用できたのは、爆発的な長打力があったからです。
ドミンゴ・サンタナもこの守備力の難を、打撃でカバー出来るほどの成績を残す必要があります。
最も、日本に来て守備力が上がった助っ人も多く存在しますから、ドミンゴ・サンタナの守備力向上にも期待しましょう。
ドミンゴ・サンタナの年俸・背番号について
ドミンゴ・サンタナは東京ヤクルトスワローズと、単年契約を結びました。
恐らく、東京ヤクルトスワローズ側も、いくら実績のある選手とはいえ、期待はずれに終わる可能性も考えて、複数年契約ではなく、単年契約を結んだのだと思いますし、ドミンゴ・サンタナ自身も、現状のメジャーで満足にプレー出来ない状況を踏まえて、2021年は日本でプレーするということを選んだのかもしれません。
気になる年俸ですが、約100万ドル。日本円にして約1億400万円プラス出来高という大型契約となっています。
今季まで東京ヤクルトスワローズでプレーをした、アルシデス・エスコバーの年俸が8,800万円プラス出来高の契約でしたから、少なくとも、サンタナはエスコバーの成績以上を残すことが求められますし、初年度からタイトル争いを演じるほどまでの期待があると言って良いはずです。
背番号は「25」。ドミンゴ・サンタナ自身は、プロ入りしてから初めて付ける背番号(マイナーを除く)であり、昨年、クリーブランド・インディアンスで付けていた背番号が「24」であったことから、次の番号という意味で選択したのかもしれません。
ちなみに「25」は昨年までイノーア投手が付けていましたが、2020年限りで退団となったため、空き番となっていました。
東京ヤクルトスワローズとしては、2年連続の「現役メジャーリーガー」の獲得。
今回は、チームのウィークポイントをしっかりと補う戦力拡充であるように思えますが、果たしてドミンゴ・サンタナは神宮球場でどれほどのアーチを描くことが出来るのでしょうか。
そして、個人タイトル争いにいきなり出現することになるのでしょうか。キャンプから是非注目してみてみましょう!
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