球界の盟主である読売ジャイアンツ。
2021年シーズンは3年連続のリーグ優勝とはならなかったものの、毎年のように優勝争いを繰り広げている常勝軍団。
しかし日本一となると2012年に日本一になって以来遠ざかっており、球団の最長記録を今もなお更新中。
球団としての不名誉な記録を止めるべく、2022年シーズンも開幕から前年の覇者・東京ヤクルトスワローズとの首位争いを繰り広げています。
そんな読売ジャイアンツですが、投手陣の中で開幕から大車輪の活躍を見せている選手がいます。
それがルーキーの大勢投手。
ルーキーながら開幕から読売ジャイアンツの新守護神として活躍を見せており、早くもタイトルの獲得や新人王の獲得も確実視されるほどとなっています。
今回はそんな読売ジャイアンツの新守護神・大勢投手についてご紹介をしていきたいと思います。
大勢(巨人)の本名と名字は何？名前の読み方や新人王やセーブ王のタイトル獲得の可能性,登場曲について
大勢の出身地・プロフィール・成績について
大勢は、小学校１年生のときに、地元の少年軟式野球チーム「八千代少年野球クラブ」で野球選手としてのキャリアをスタートさせました。
大勢の地元は兵庫県の中でも自然に囲まれた地域で、町内放送で「クマが出ました」というアナウンスが流れるほどの場所だったそうです。
小学校を卒業すると、中学ではボーイズリーグの「氷上ボーイズ」でプレーしました。
大自然の地元だったからこその逸話として、中学時代に夜にランニングをしていたとき、鹿と並走しながらランニングをしていたという話があります。
中学卒業後は、地元・兵庫の強豪校である、兵庫県立西脇工業高等学校に入学しました。
大自然の中で鍛えた野球センスは人一倍高く、入学して早々の１年生の春からベンチ入りを果たすと、２年生の秋にはチームのエースとして成長しました。
その後、高校を卒業するまでチームのエースとして投げ続けますが、強豪ひしめく兵庫県の中でチームとしてなかなか勝ち上がることが出来ず、３年生の夏の県大会ベスト16というのが大勢自身が在学中の最高成績となり、甲子園出場という夢は地元でありながら遠く感じる結果となりました。
大勢は高校３年生の時点でプロ志望届を提出しましたが、結果ドラフト会議で大勢を指名する球団はなく、大勢は大学進学を選択。
高校卒業後は、関西国際大学に進学しました。
関西国際大学では、２年生の春からリーグ戦に出場。リーグ戦でずば抜けた成績を残したほどではありませんでしたが、大学２年生の春に阪神タイガースとの練習試合に登板。二軍とはいえ、プロ相手に4回3安打2失点に抑え、プロのスカウトの目に留まるようになりました。
そして迎えた2021年10月。大勢は自身２度目のプロ志望届を提出すると、4球団の競合となった読売ジャイアンツが抽選を外すと、大勢をドラフト１位で指名し、入団を果たしました。
背番号は、かつて巨人に在籍し、現在はメジャーリーグで活躍している元守護神、澤村拓一が付けていた「15」となりました。
ルーキーシーズンのキャンプはじっくり調整をする首脳陣の意向もあり２軍でのスタートとなりましたが、大勢が体調を崩したこともあり、３軍での調整を行いました。
次第に調子を上げていき、なんとかオープン戦に間に合った大勢はここから首脳陣に猛アピール。
結果、7試合の登板で自責点1、防御率1.29という好成績を残すと、開幕１軍入りを果たしました。
またデラロサやビエイラといった守護神候補が軒並み不調であったことや、前年活躍した中継ぎ陣の故障などもあり、大勢はなんと守護神に大抜擢されることになりました。
迎えたシーズン開幕。大勢の大仕事は開幕戦にいきなり訪れます。
中日ドラゴンズとの開幕戦、読売ジャイアンツが２点をリードして迎えた9回に登板すると、２本の安打を浴びるも後続を抑え、見事プロ初セーブを記録。守護神としての期待に大勢はしっかりと応えると、そこからも比較的安定したピッチングを続けると、開幕からNPB史上最速となる10セーブを記録するという快挙を遂げました。
2022年5月23日現在ですでに19試合に登板。16セーブをあげ、読売ジャイアンツの守護神として活躍を続けています。
このままの活躍が続けば、オールスターへの選出はもちろん、セーブ王のタイトル獲得や新人王の獲得も期待されています。
大勢の本名は？苗字(名字)は何？
引用：三木市
すっかり巨人ファンにはおなじみとなった、新守護神「大勢」。
この名前についてですが、他球団のファンからはなかなか馴染みのない登録名で違和感を覚える人もいると思います。
この「大勢」という名前、もちろんプロフィールでご紹介したように、本名の名前の部分で読み方は「たいせい」と読みます。
なんでもこの名前の由来は大勢が出産予定日を大幅に遅れ、２週間も遅れて産まれてきたそうで、大勢（おおぜい）の人に見守られていたことから「大勢（たいせい）」という名前がついたそうです。
産まれてきた我が子に対して、その時の印象から名付ける親も多いですが、その時の状況を名付ける親というのもなかなか珍しいかもしれませんね。
さらに大勢の母は、大勢と名付けた別の理由として、大勢が産まれた頃に大ヒットした「救命病棟24時」の主人公の名前であった「進藤一生」から「イッセイ」と名付けようとしたそうですが、「”一”よりも”大”が良い」として「大勢」と名付けたと取材の中で答えています。
それでも「大生」ではなく「大勢」としたのは、先に説明した「大勢（おおぜい）に見守られて産まれてきた」ことが理由として大きそうですね。
さて「大勢」が本名が名前であるというご紹介はしましたが、大勢の名字(苗字)についてこれからご紹介したいと思います。
こちらもプロフィールでご紹介したように、大勢のフルネームは「翁田 大勢（おうた たいせい）」と言います。
「翁田（おうた）」という名字も非常に珍しく、日本全国におよそ100人程度しかいないそうです。
ではなぜ大勢の登録名が「大勢」となっているか。
実は読売ジャイアンツには「太田 龍（おおたりゅう）」という投手がおり、この「太田（おおた）」という発音と「翁田（おうた）」という発音が似ており、混同する可能性があるため、後から入団した大勢は、名字の「翁田」という登録名ではなく、名前である「大勢」が登録名となりました。
プロ野球球界でみると、自身の名前が登録名となるのは決して珍しいケースではなく、現在活躍している選手でも、横浜DeNAベイスターズの大和（本名：前田大和）、東北楽天ゴールデンイーグルスの銀次（本名：赤見内 銀次）などがいます。
ですが、実は読売ジャイアンツに限ると、日本人選手が自身の登録名を名前だけにして登録するのは大勢が初めて。
過去には、他球団で自身の名前を登録名としていた選手が読売ジャイアンツに移籍してきたケースがありましたが、その際は、自身のフルネームを登録名としており、これまで名前のみを登録名とした選手はいませんでした。
（過去のケースでは、千葉ロッテマリーンズに所属していたサブローが読売ジャイアンツに移籍した際は、登録名を本名のフルネームである「大村三郎」、阪神タイガースに所属していたカツノリが読売ジャイアンツに移籍した際は「野村克則」に。外国人選手ではファーストネームを使用した例はあり。）
この「大勢」という登録名には、原監督も「いい名前だし、いいね」と発案したことがきっかけとなっているようです。
登録名が特殊であると、名前ばかりが先行してしまうケースもありますが、今のところは「名前負け」せずに快調にピッチングを続けているので、これからも「巨人・大勢」の名が全国区になるような活躍を期待したいですね。
大勢の新人王・セーブ王の獲得の可能性
さてここまでの活躍から、更に大勢に期待されることとしては「タイトルの獲得」。
ここまでダントツのセーブ数を挙げていることから、セーブ王（最優秀救援投手賞）の獲得、そしてやはりルーキーですから新人王の獲得も目が離せないですよね。
まず、セーブ王の獲得ですが、他のライバルがここまでどのような成績を残しているのか確認してみましょう。
2022年5月23日現在、セ・リーグのセーブ数は以下のようになっています。
| 順位 | 選手名 | 球団 | セーブ数 |
| 1 | 大勢 | 巨人 | 16 |
| 2 | マクガフ | ヤクルト | 13 |
| 3 | R.マルティネス | 中日 | 10 |
| 4 | 栗林 | 広島 | 8 |
| 5 | 岩崎 | 阪神 | 6 |
| 5 | 山﨑 | 横浜DeNA | 6 |
大勢はセーブ数第１位ですが、共に首位争いを繰り広げている東京ヤクルトスワローズのマクガフが13セーブを挙げ、第２位。
セーブは個人の成績でありながら、セーブが挙げられるシチュエーション、つまりは主に最終回時点で3点差以内で登板し、勝利することが条件となるため「チームが勝つ確率が高い＝セーブを挙げられる可能性が高い」ということになります。
つまり、大勢とマクガフのセーブ数が競っているというのは納得ですし、今後もセ・リーグの順位変動が大幅に起きなければ、この争いはシーズン終盤まで続くと考えられます。
読売ジャイアンツが大勢にセーブシチュエーションで登板させること、そして大勢が抑えることができれば、セーブ王としての可能性はどんどん高まってきますし、優勝争いを勝ち抜くことにもなるでしょう。
そして気になるのが新人王の行方。
新人でセーブ王獲得ともなれば、新人王確実といえると思いますが、もし大勢がセーブ王になれなかった場合、新人王の可能性も下がってしまうのか。
その答えはずばり「NO」です。たとえ大勢がセーブ王になれなかったとしても、シーズンを通して、今の活躍を続けられていれば、大勢が新人王最有力であることに変わりはないと思われます。
その要因として、2021年の最優秀救援投手賞は阪神タイガースのスアレスでした。しかし、新人王はセーブ数が２位であった広島東洋カープ・栗林良吏でした。
栗林の場合は、東京オリンピックの活躍も少なからず考慮されている可能性もありますが、セーブ王の獲得が出来なくとも、それに値するほどの活躍ができれば、新人王の獲得の可能性は十分にあります。
2021年は、横浜DeNAベイスターズの牧、阪神タイガースの佐藤輝明など、他にも新人王級の活躍をした選手がおり、かなりデッドヒートであったことを考えると、2022年シーズンはここまで大勢に匹敵するほどの活躍を見せているルーキーがいないため、この大勢の活躍が続けば、新人王獲得の可能性は非常に高いと見てよいはずです。
ですが、再三言っている通り「この活躍が続けば」の話。
いくらアマチュアの世界で活躍していた選手であっても、プロの世界で１年活躍し続けるというのは非常に困難です。
ましてや、クローザーというポジションであれば、チームの勝利がかかる大一番で投げ続けることによるメンタル的な疲労もありますし、それが日本一の人気球団である読売ジャイアンツともなると、その責任は重くのしかかることでしょう。
原監督としても、大勢の代わりがいないという投手陣の現状であると、なかなか休ませづらいということもあるかもしれませんが、大勢の疲労を考慮し、なるべくコンディションがよい状態で投げ続けさせてあげてほしいですね。
なぜここまで大勢のコンディションを懸念するか。それには理由があります。
実は大勢は大学４年生の春に右肘を疲労骨折していたのです。
昨年はほとんど実践での経験がない中で、プロの世界で毎日のように投げ込んでいるので、いずれはその古傷が再発しないかという心配があります。
大勢も「投げる喜び」や「責任感」を感じるポジションであることから無理をして投げ続けることもあるかもしれませんが、そこは今後の大勢自身の野球人生のためにも、正直に休みながら、無理ない範囲で投げ続けてほしいですね。
大勢の登場曲は何？
引用：スポーツ報知
今や、プロ野球選手の代名詞とも言える「登場曲」。
本拠地で選手が登場する際に流れる曲のことを指しますが、とりわけ守護神と呼ばれるクローザーのポジションは、試合のボルテージが上がっていく場面で出場するということもあり、この「登場曲」も注目されるケースが多いです。
セ・リーグで代表的なのが、横浜DeNAベイスターズの守護神である山﨑康晃の登場曲ではないでしょうか。
山﨑康晃の登場曲「Zombie Nation」は、その登場曲に合わせ「ヤ・ス・ア・キ」とファンがジャンプしながらコールすることから「ヤスアキジャンプ」と呼ばれ、横浜DeNAベイスターズファンのみならず、プロ野球ファンなら誰しもが知る応援風景となっています。
これほどの盛り上がりを見せるのは、極めて稀なケースですが、大勢の登場曲にも徐々に注目が集まっています。
大勢が登場曲として選んでいるのが、今や日本を代表するアニメとなった「鬼滅の刃」の劇場版で使用されている「炎の呼吸 壱ノ型 不知火」そして「炎の呼吸 弐ノ型 昇り炎天」です。
この音楽がアニメ「鬼滅の刃」を知らない人でも「ラスボス感がスゴい」と、威圧感を感じているようで、まさに守護神として、試合の最後を締めくくるにピッタリな選曲として注目され始めています。
大勢がなぜこの曲を登場曲として選曲したのかについては、まだメディア等で語られていませんが、いずれこの登場曲が大勢の代名詞となった頃にその理由が明かされることでしょう。
有名な登場曲にのって、大勢もこの”勢い”のまま、タイトル獲得、更にはリーグ優勝・日本一に貢献する活躍を期待したいですね。
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